204通信

昭和薬科大学附属高等学校2年生の学年通信

第42号「明日からの生活を考えてお腹が痛む君へ」(お知らせと御礼あり)

 

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※フリー素材よりお借りしました。

 いよいよ明日、学校が本格的に再開する。分散登校も終わり、初めてクラス全員が集う。それは担任としてとても待ち望んでいたことである。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう世界で、身をすくめ、息を潜めて嵐が通り過ぎることを必死で願った日々がようやく終わる。もちろんこれからも感染症との戦いは続く。都知事が新しいスローガンに「with コロナ」を掲げていたが、まさに新しい世界は未知なる病と共存しつつ生きなければならない。それでもなお、かつての生活に一歩近づけることはこの上ない喜びである。喜びであるのだ。喜びであるはずであり、あるべきなのだ。

 しかし・・・もしかすると明日からの生活が重荷とっている人はないか。憂鬱な心持を抱えてキリキリとお腹が差し込む痛みに襲われている人はいないだろうか。今日の文章は、その人のために、その人のためだけに送りたいと思う。

 この長い休校は、学校という制度の良い点も悪い点も改めて浮き彫りにした。

 たとえ強制という陰口を叩かれているとしても、学校が友達と青春を共有する大切な場であり、社会訓練としての場であることを再確認した人は多いと思う。そこまで難しく考えなくても「勉強はダルいけど、やっぱりなんだかんだ言って学校のほうが家より楽しいな」と感じた人は少なくないはずだ。それはそれでとてもいいことであり、学校内部の人間としては素直に嬉しい。

 しかし一方で、オンラインを活用した新しい学びの形や、自分だけの時間と空間を確保し、自身のペースで勉強や趣味に勤しむことに喜びを覚えた者もきっといるに違いない。家族と時間が増え、会話が増える。通学の時間、友達のふりをする休み時間、先生の顔色を窺う授業。それらから解放され、私なりの時間を生きる楽しさを感じることもあったのではないか。だからこそ、明日からの学校がなんだか辛い・・・。

 その思い、まったく間違っていない。そう考えられる人はある意味ですごいとさえ思う。なぜなら学校の内部にいる人間が、その全容を俯瞰することは至難の業であるにも関わらず、それをやってのけているから。

 わたしはその視線を、その思いを大切にしてほしいと思う。とても矛盾しているし、学校内部の人間が言ってはいけないかもしれないが、すごくすごく大切なことだから敢えて言いたい。学校には欠点も限界もある。今回の世界的な出来事は、私たちが見ないふりをしていた様々な問題を浮き彫りにした。学校制度もその一つ。それでもなお、再び元に戻ろうとするのは、現在の制度を超える新しいシステムを創造する時間、お金、知恵がまだまだ足りないからだ。そして元に戻ることで忘れようとしたいからだ。

 だからこそもう一度言いたい。その視線、その思いを大切にしてほしい。違和感を抱き続けることが、現状を変える原動力となるからだ。

 本校は明日から再びかつての姿に戻り始める。けれども、今回の出来事を〝厄災〟として片づけるのではなく、新しい学校を作るための〝過酷なレッスン〟として受け止めたい。そして、休校中に培った新しい技術をもっともっと使いこなし、より成長した学校へとランクアップしたい。その気持ちを忘れずに明日を迎えたいと思う。

 そして最後にもう一度。

 明日からのことを憂鬱に思い、気分が沈んでいるそこの君。

 そう思うこと自体は決して間違っていない。むしろ正常だ。

 だから無理はしないように。

 少しずつ少しずつ進んでいけばいい。

 

 自分を大切に!

 

 お知らせと御礼

 〝学校が元通りになるまで毎日更新!〟を自らに課したこの204通信も、ひとまずその役目を終えました。明日からは本来予定していた「週1更新」を目安に、ゆっくりと綴ってまいります。毎日の更新は少しのしんどさと、多くの喜びを私に与えてくれました。またたくさんの人が「読んだよ」「面白かった」と言ってくださることが、何より励みになりました。高2生にどれだけ届いたかはわかりませんが、1話でも楽しんで読んでくれたならば、それで学年通信としての役目は十分に果たしました。伝えたいことが週1で収まりきらなければ、+αで追加更新も予定しています。さらに、学校以外の多くの読者にも恵まれました。改めてお礼を申し上げます。

 沖縄県昭和薬科大学附属高等学校・附属中学校は明日から全員登校に移行します。これからも厳しい戦いは続きますが、頑張って参りましょう!!